マルコ・カルネルッティ (Marco Cargnelutti) プロフィール
マルコ・カルネルッティは、1983年、イタリアのGemona Del Friuli生まれ。少年期に近所のバイオリン工房を訪れ、バイオリン製作家になることを目指し始める。 2009年にクレモナの国立バイオリン制作学校に入学し、A. Sperzaga、W. Zambelli、M. Negroni、L. Bellini、D. Scolariの指導の下で学ぶ。 2012年卒業後、G. ScolariとL. Belliniの工房で働く。そこでは、単なる小手先の制作テクニックを学ぶのではなく、芸術的な一貫性を目指すことを特に重視した。同じ時期、多くのクレモナのバイオリン職人からアドバイスを得て、特にD. Soraの工作からニス塗りに渡るあらゆる段階の体系的なアプローチからは多大な影響を受けた。
マルコは向上心・向学心が大変旺盛で、音質とニスに関して常に多くの実験を行っている。プロの演奏家とも直接交換してきたことで、特に楽器の最終調整の洗練度に磨きがかかっている。音響面の研究においては、感覚的なインスピレーションを中心に据える多くのイタリア人制作家とは一線を画し、マルコはCarleen Hutchins、Nigel Harris、Martin Schleskeらによる音響学の科学的研究を積極的に活用し、自らの緻密な研究の基盤としている。
ニスは、主にオイルニスを使用し、自ら調合した顔料を使い、見事な色調の透明性の極めて高いニスを達成している。このニスは、木目を最大限映えさせ、また木材の自由な振動を妨げないよう配慮されている。また、楽器によってはアルコールニスを使用することもあり、愛好家の心を掴んで離さない鮮烈かつ格調高い赤色を実現している。
マルコの楽器のデザインは主としてストラドモデルであるが、本人が特に注目している前世紀の2人の偉大なバイオリン制作家であるF. GarimbertiとG. Ornatiをモデルとすることも多い。